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冠婚葬祭の場など、日本人の生活と切っても切り離せない宝石である真珠。
その中でも代表的なのは、セレモニー用のネックレスなどでよく使われるアコヤ真珠です。
ですが、考えてみるとアコヤ真珠がどんなものなのかよくわからないですよね。
そこで今回は、代表的な真珠であるアコヤ真珠についてご紹介します。
併せて、他の真珠との違いやパールジュエリーのお手入れについてもご紹介します。
それではご覧ください!
目次
1.真珠の基本
アコヤ真珠について知る前に、まずは真珠そのものについて知りましょう。
どうやって作られるのか、そもそも真珠とは何なのかなど、意外と知らなことが多いのではないでしょうか。
まずはその基本について見ていきましょう。
1-1.真珠って何?
真珠とは、2枚貝の中で育てられる宝石です。
宝石と言われると少し違和感があるかもしれませんが、6月の誕生石にもなっているれっきとした宝石なんです。
貝は中に異物が入ってくると、防衛のためにその異物を貝殻と同じ成分でできた真珠層によって包んで取り込もうとします。
この成分が幾重にも重なることによって形づくられるのが真珠です。
1-2.真珠ができるまで
真珠を作るには、真珠が育つ場所である貝を育てるところからスタートしなければなりません。
稚貝(ちがい)と呼ばれる小さな貝を、真珠を育てられる母貝(ぼがい)になるまで数年の時間をかけて育てていきます。
貝が育ったら、異物の役割を果たす核を手作業で貝の中に入れていきます。
核はドブ貝の貝殻を切って丸く削り出したものが使われます。
このように、人の手によって核が入れられるものは養殖真珠と呼ばれ、養殖の期間が1年未満のものを当年物(とうねんもの)、1年以上のものを越し物(こしもの)と呼びます。
逆に、核が入れられない、もしくはごく小さな核が使われる程度のものは天然真珠と言われます。
核を入れられた貝は、核の周りに真珠層と呼ばれる層を形成します。
この真珠層が幾重にも積み重なっていくと、私たちが目にするような真珠が出来るのです。
いくつもの工程を経て育てられた真珠は、母貝から取り出され(浜揚げ)、その後ジュエリーなどに加工されます。
1-3.真珠の6つの評価基準
真珠の品質評価は、他の宝石とは違う独自の評価基準に沿って行われます。
6つの評価項目の総合評価で品質が決まります。
真珠の種類によって重視される項目や基準の厳しさには差がありますが、6つの評価項目はどの真珠でも共通です。
この基準を覚えておくと、良い真珠を見分けられるようになるかもしれませんよ!
【①巻き】
真珠の核の周りに作られる真珠層の厚さのことを指します。
他の要素が完璧でも、巻きがイマイチだと高評価にはならないと言われるほど大事な要素です。
層が何重にも重なっているほど厚みのある良い真珠と評価されますが、見分けが難しい項目でもあります。
巻きが多いほど真珠は大きくなるため、真珠のサイズにも関わってきます。
真珠の経年劣化は避けられないものですが、巻きがしっかりしていると劣化しにくいとされています。
上の画像では、右側に行くほど巻きが厚い上質な真珠です。
【②照り】
照りとは真珠特有の光沢のことで、「真珠の命」ともされる重要な要素です。
真珠表面の光沢だけでなく、内側から湧いてくるような柔らかな輝きも含みます。
真珠層の厚さと、真珠層の結晶構造の組み合わせによって照りが生まれます。
ただ真珠層が厚いだけでなく、その表面が滑らかでなければ美しく光を反射してくれません。
照りの良し悪しは、真珠に写る影や写り込みに注目すると良く分かります。
影や映り込みがシャープではっきりしているほど、良い真珠と言えます。
上の画像では、左側に行くほど照りが良い真珠です。
【③キズ】
真珠は自然の中で作られるものであるため、ほぼすべてにキズやシミなどがあります。
キズやシミの他にも「えくぼ」と呼ばれる真珠特有のへこみもあります。
これらが少なく、表面が綺麗なものほど良い真珠と評価されます。
また、同じキズでも、目立つ位置に入っている場合とそうでない場合とで評価が異なります。
上の画像では、左側に行くほどキズなどが少ない良い真珠です。
【④大きさ】
大きい真珠を作るために時間をかけて育てるほど、キズやシミができるリスクが高まります。
そのため、基本的にはサイズが大きい方が評価は高くなります。
ただし、品質の悪い大きい真珠と品質の良い小さい真珠では、後者の方が評価が高くなる場合もあります。
また、小さいものでも希少性や需要が高いものは高価になる場合もあるため、一概には判断できない項目です。
【⑤形】
真珠の形は丸だけじゃないんです!
真珠層が積み重なる過程の中で生じる歪みによって、様々な形が生まれます。
その中でも、ラウンド(真円)に近いものほど良い真珠とされます。
ただし、希少性が高い形状の場合は高値が付く場合もあります。
【⑥色】
真珠には色があるのをご存じですか?
母貝の内側の色が真珠に反映されることで、様々な色味が表出するのです。
どんな色の真珠になっているかは、貝を開けてみるまで分かりません。
価値が高い色は、真珠の種類やその時の流行などによって異なります。
2.アコヤ真珠とは
真珠の基本について知ったら、次はアコヤ真珠について詳しく見ていきましょう。
アコヤ真珠は真珠の代表とも言える存在ですが、多くの人に愛される確かな理由があります。
これを読めば、アコヤ真珠の真の魅力を知れますよ。
2-1.アコヤ真珠の基本
アコヤ貝を母貝とする真珠のことで、和珠(わだま)や本真珠(ほんしんじゅ)とも呼ばれます。
最も一般的な歴史のある真珠で、古くは日本書紀にも記述が残っています。
母貝となるアコヤ貝は手のひら程で小さく、1つのアコヤ貝から1つのアコヤ真珠しか採れません。
その上、アコヤ真珠の半分近くは養殖の途中で死んでしまうため、宝石として使用できるのは僅か3割程度です。
三重県の伊勢志摩や愛媛県の宇和島などが有名な産地で、世界で流通しているアコヤ真珠の約9割が日本で生産されています。
2-2.アコヤ真珠の4つの特徴
【①美しい照り】
アコヤ真珠は、真珠特有の輝きである照りが美しいことが強みです。
これは、アコヤ貝によって作られる真珠層がきめ細やかで緻密であるためです。
表面だけのピカピカとした輝きではなく、奥から湧き出るような深みのある輝きを持っています。
また、表面には真珠特有の虹色の輝きであるオリエント効果がハッキリと見て取れるのも特徴の一つです。
【②整った真円】
アコヤ真珠の形はラウンド(真円)、セミラウンド(やや丸)、セミバロック(やや不定形)、バロック(不定形)に分けられます。
アコヤ真珠には真円の核が使われることが多いため、これらの形の中でも真円やそれに近い形が多く採れます。
アコヤ真珠の形に対する基準は他の真珠よりもかなり厳しく、整った形状が多い理由の1つになっています。
【③使いやすいサイズ感】
アコヤ真珠の基本でもご紹介したように、アコヤ真珠の母貝のアコヤ貝は手のひらほどで小ぶりです。
そのため、アコヤ真珠も6~8mmの比較的小さいサイズが主流になっています。
8mm以上が大珠とされていて、9mmを超えるものは希少性が高くなります。
深く強い輝きを持つアコヤ真珠だからこそ、控えめな大きさの方が使いやすく、日本人にも好まれる奥ゆかしさを演出しているのかもしれませんね。
【④カラーバリエーションが豊富】
アコヤ真珠は、様々な色味があるのも特徴の一つです。
代表的な色だけでもホワイト、ピンク、ゴールド、グレー、グリーンなど、とても多彩です。
その中でもホワイト系やピンク系が王道で高い人気を誇るため、価格も高いものが多いです。
3.他にもある!○○真珠
アコヤ真珠がどんな真珠なのか、お分かりいただけましたね。
ここからは、アコヤ真珠以外の真珠の種類も見ていきましょう。
他の真珠にも、それぞれに違った特徴や魅力があります。
これを知っていると、パールジュエリー選びが楽しくなりますよ。
3-1.淡水真珠
アコヤ真珠が海で養殖されるのに対して、淡水真珠は多くの場合湖で養殖されます。
池蝶(いけちょう)貝という貝が母貝になることが多いです。
近年では中国からの輸入品が多いですが、かつては琵琶湖が有名な原産地でした。
淡水真珠には基本的に核が無いため、バラエティに富んだ形状が生まれます。
また、オレンジやピンク、バイオレットなど、カラーバリエーションも豊富です。
1つの母貝から複数の真珠が採れるため、アコヤ真珠よりもリーズナブルな価格帯のものが多いです。
しかし、高品質なものだとアコヤ真珠と並ぶような高値が付くこともあります。
真珠の中でも劣化しにくいため、普段使いしても傷みにくいです。
3-2.白蝶真珠
南洋に生息する白蝶貝から採れる真珠で、南洋真珠とも呼ばれます。
南洋の白蝶貝は非常に大きい分、真珠そのものも10mm~15mmほどの大きさに育つことが多く、大きいものになると数百万円の値が付くものもあります。
アコヤ真珠に少し似ていますが、白蝶真珠の方がボリュームがあります。
母貝の色によって、シルバーリップとゴールドリップの大きく2つに分けられます。
《シルバーリップ》
《ゴールドリップ》
シルバーリップからはホワイト・シルバー系、ゴールドリップからはイエロー・クリーム・ゴールド系の真珠が採れます。
高級感があるため、セレモニーなどの格式高い場面にぴったりです。
3-3.黒蝶真珠
南洋に生息する黒蝶貝から採れる真珠で、ほとんどが黒色です。
タヒチでの生産量が全体の9割以上を占めることからタヒチ真珠とも呼ばれ、日本では石垣島や西表島などで生産されています。
アコヤ真珠よりも大きい9mm~11mmが主流のサイズです。
黒色の中にもグリーン系や赤系、グレー系などの色味があります。
中でも、深い緑の中に赤みのある反射が入る「ピーコックグリーン」と呼ばれる色味が高い人気を誇っています。
黒蝶貝は体内の運動が活発であるため、バロックなどの変わった形になることが多いです。
3-4.ケシパール
無核の真珠のことを指し、母貝の種類によってアコヤ真珠のケシもあれば白蝶真珠のケシもあります。
芥子の実のように小さいことが名前の由来で、特に小さいものは砂ゲシと呼ばれます。
核が無いため組織のほとんどが真珠層で構成されており、これによって巻きが厚くなり、深い照りが生まれます。
形は楕円形や不定形など様々で、真珠の形をそのまま生かすようにジュエリーの中に使われることも多いです。
3-5.花珠真珠
花珠(はなだま)真珠はアコヤ真珠の中でも一定の基準を満たした最高ランクのものにのみ与えられる呼び名です。
花珠真珠になるかどうかは、鑑別機関で厳しく審査されます。
基準をクリアするアコヤ真珠の割合は、なんと200個に1個=0.005%!
晴れて花珠真珠と認定されたものには、花珠鑑別書という証明書が付属します。
高品質な花珠真珠のさらに上のランクとして、天女真珠も存在します。
4.パールジュエリーのお手入れ方法
アコヤ真珠とその他の真珠の違いはお分かりいただけのではないでしょうか。
ここでは最後に、パールジュエリーのお手入れ方法をご紹介します。
どんなに良い真珠を選んでも、お手入れをおこたってしまうとその輝きは失われてしまします。
難しい内容はありませんので、パールジュエリーを使った時にはぜひ実践してみて下さい。
4-1.乾拭きする
真珠の主成分である炭酸カルシウムは、酸によって溶ける性質があります。
そのため、酸性である汗などが付着したまま放置してしまうと、光沢が鈍くなり、色味も黄色っぽく変色してしまうことがあります。
着用後はジュエリークロスやメガネ拭きなどの柔らかい布で拭き、付着した汚れをしっかり落とすようにしましょう。
ただし真珠は水分に弱いため、必ず乾いた布を使うようにしてください。
汚れを落とすだけでなく照りも出せる真珠専用のクロスもあります。
4-2.安定した環境で保管
真珠は、紫外線や極端な乾燥・湿気に弱い宝石です。
パールジュエリーを保管する際には、直射日光が当たらない、温湿度が安定した場所に保管するようにしましょう。
悪い環境で保管すると、黄ばみやひび割れを起こしてしまいます。
また、真珠は柔らかく傷がつきやすいため、他のジュエリーとぶつからないように仕切り付きのケースなどで保管しましょう。
4-3.糸交換
ネックレスの場合、定期的な糸交換が必要です。
何年も糸を交換せずに使っていると、糸が劣化してたるんでしまったり、最悪の場合は糸が切れてしまったりすることもあるんです。
糸交換が必要かどうかのチェックはとても簡単!
ネックレスの端をつまんで垂直に垂らした時、真珠と真珠の間に5mm以上の隙間が出来る場合は糸交換をしましょう。
真珠のネックレスはただ糸を通しているだけでなく、専門的な技法を用いて紡がれています。
糸交換をする際はジュエリーの修理店に依頼するなど、プロに任せるようにしましょう。
真珠のネックレスをこれから選ぶという方は、こちらの記事を参考にしてみて下さいね。
おわりに
いかがだったでしょうか。
アコヤ真珠だけでなく、その他の真珠についても詳しくなれましたね!
こちらの記事では、アコヤ真珠などを使ったおすすめのパールブローチをご紹介しています。
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「ジュエリーや宝石に興味が湧いた!」という方は、ぜひこちらもご覧ください。
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