ネックレスや指輪など、私たちが普段身に着けている装飾品は様々な名前で呼ばれています。
その中でもよく聞くのが、「ジュエリー」と「アクセサリー」です。
この二つの違いをご存じでしょうか。
明確な違いはありますが、良く知らないという方がほどんどです。
そこで今回は、ジュエリーとアクセサリーの違いについて解説していきます。
併せて、より細かなジュエリーの分類についてもご紹介します。
それではご覧ください!
目次
1.ジュエリーとアクセサリーの違い
似たイメージを持つ「ジュエリー」と「アクセサリー」、その境界線は一体どこにあるのでしょうか。
この二つを区別する時、着目すべきは使われている素材です。
まずは、それぞれの定義について見ていきましょう。
1-1.アクセサリー
アクセサリーとは、身に着けて着飾るための装身具全般のことを指す言葉で、とても広い意味を持っています。
アクセサリーは、使用される素材に制限がありません。
真鍮製のものからガラス製、布製のものまで、様々な素材のものが含まれます。
また、アクセサリーは、身に着ける場所や大きさも様々なのが特徴です。
時計やベルト、帽子などもすべてアクセサリーに含まれます。
1-2.ジュエリー
ジュエリーは、アクセサリーよりも限定的で狭い意味の言葉です。
日本ジュエリー協会によるジュエリーの定義は、「装身具のうち、素材に貴金属、天然宝石を用いた宝飾品を言う。」とされています。
つまりジュエリーは、アクセサリー(装身具)の中でも特に希少価値の高い素材を用いて作られたものを指す言葉なのです。
ジュエリーは高品質な素材が使われることが多いため、比較的長く美しい状態を保ったまま使い続けることが出来ます。
例えば、大昔に作られた金製の装身具の中には、現代でも美しい輝きを保っている物も見られます。
2.ジュエリーに使われる素材のルール
ジュエリーとアクサセリーの定義の違いはお分かりいただけましたね。
どちらに分類されるかは、使われている素材がキーになっていました。
アクセサリーに使用する素材は制限が無く自由ですが、ジュエリーの素材には制限があります。
そこでここからは、ジュエリーに使用される素材について詳しくご紹介していきます。
その装身具がジュエリーに分類されるためには、使用する金属と宝石に条件があるのです。
2-1.貴金属
ジュエリーには、貴金属と呼ばれる金属が使われます。
貴金属とは、よく耳にする金・銀・プラチナの他に、パラジウム・ロジウム・ルテニウム・オスミウム・イリジウムを足した全8種類と、日本ジュエリー協会によって定められています。
金・銀・プラチナが主材料として使われることが多く、他の5種類は強度を上げるために混ぜ合わせて使われることが多いです。
日本工業規格(JIS)によってそれぞれの素材の最低含有率が定められており、これを下回るとジュエリーと呼べない場合も出てきます。
例えば金であれば、そのジュエリーに最低でも37.5%の金が含まれていないと基準に満たないと判定されてしまいます。
貴金属に分類される素材は、希少性が高い、加工しやすい、酸化や腐食に強く耐久性が高いという特徴を持っています。
2-2.天然宝石
ジュエリーに使用されるのは、人工の物ではない天然の宝石に限られます。
ジュエリーに使われる宝石は、希少性・耐久性が高いものの場合が多いです。
ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドが代表的で、これらは四大宝石と呼ばれています。
近年ではこれら以外の石も人気が出てきており、比較的カジュアルに身に着けられるジュエリーも増えてきています。
ジュエリーには天然宝石が必ずしも使われているわけではなく、マリッジリングなどのように宝石を使わないものもあります。
宝石については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
3.ジュエリーの3つの分類
ジュエリーに使用される素材は、希少性が高いものに限られているんですね。
そんなジュエリーの中にも、いくつかの分類があるのをご存じでしょうか。
ここでは、ジュエリーを大きく3つの分類に分けてご紹介します。
これを覚えておけば、ジュエリー探しがもっとスムーズになるかもしれませんよ!
3-1.ファインジュエリー/ハイジュエリー
「high」には「高貴な、上等な、高級な」、「fine」には「すばらしい、立派な、満足のいく」という意味があります。
つまりファインジュエリー/ハイジュエリーとは、正統派の高級感のあるジュエリーのことを言います。
その高品質さが最大の特徴で、使用される素材にもよりますが、高価な場合がほどんどです。
ウェディングジュエリーなどは、ここに分類されることが多いです。
3-2.コスチュームジュエリー/ファッションジュエリー
名前にはジュエリーという言葉が入っていますが、実は使用されているのは貴金属ではないリーズナブルな素材。
つまり、厳密にはジュエリーには分類されずアクセサリーという扱いになります。
素材の価値にとらわれず、流行やファッション性を重視して作られたアクセサリーを指し、高品質で高価なファインジュエリーやハイジュエリーに対比する言葉とされています。
近年では、本物のジュエリーのような高級感のあるデザインのものも増えてきています。
3-3.アンティークジュエリー
アンティークジュエリーとは、製作から100年以上の年月が経過したジュエリーを指します。
現代のジュエリーとは一味違う、アンティークジュエリーならではのデザイン性の高さが人気の理由の一つです。
また、現代では見られなくなってしまった技法を駆使して作られたジュエリーもあり、技術的・歴史的な面においても多くの魅力を持っています。
アンティークジュエリーには、基本的に貴金属や天然宝石などのような通常のジュエリーと同じ素材が使われています。
しかし、中にはスチールにカットを施してダイヤモンドのような輝きを施した「カットスチール」などのように、例外的なものも存在します。
そのため、アンティークジュエリーの中には、アクセサリーに分類されるものが一部混在している形になっています。
4.挑戦!ジュエリーorアクセサリークイズ
ここまでお読みいただいて、ジュエリーやアクセサリーについてかなり詳しくなれましたね!
その内容を踏まえて、最後にクイズに挑戦してみましょう!
以下のアイテムはジュエリーなのかアクセサリーなのか、ぜひ考えてみて下さい!
【Q1.】チタン製のダイヤモンドリング
チタンは貴金属ではありません。
しかし、ダイヤモンドは天然宝石に分類されます。
そのため、この指輪はジュエリーに分類されます。
【Q2.】キュービックジルコニア(人工石)が留まった金製のネックレス
キュービックジルコニアとは、ダイヤモンドに似た人工石です。
キュービックジルコニアは、ジュエリーに使われる天然宝石には含まれません。
しかし、ネックレス本体が金=貴金属でできているため、このネックレスはジュエリーに分類されます。
【Q3.】純度が低い金の指輪
貴金属の一種である金でできているならば、ジュエリーだと思ってしまいそうですよね。
しかし、この指輪はアクセサリーである可能性があります。
貴金属の説明の中でもご紹介したように、それぞれの素材について最低含有率が定められており、これを下回るとジュエリーと呼べない場合があるのです。
金の最低含有率は37.5%です。
そのため、この指輪の金の含有率が37.5%に満たなかった場合、ジュエリーではなくアクセサリーに分類されます。
金の含有率は24を100%とする24分率で表され、金の含有率100%=K24と表記されます。
最低含有率の37.5%はK9となるため、K9未満の場合はジュエリーとは言えないのです。
金属の含有率は、刻印を見て調べることが出来ます。
ジュエリーの刻印についてはこちらの記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
おわりに
いかがだったでしょうか。
皆様の疑問が解消されていましたら幸いです!
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またジュエリー相談所では、ジュエリーや宝石の販売も行っております。
「ジュエリーや宝石に興味が湧いた!」という方は、ぜひこちらもご覧ください。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。